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小笠原隼人の日記

興味があったらまずは8,000円でツアーに来たら良いと思う! イノベーション東北主催「福島サポーターツアー」は本日締切。

イノベーション東北」さんが、福島サポーターツアーという素晴らしい企画をしているので、ご案内します。

「福島のことや震災復興に興味があるけど、状況も良く分からないし、自分に何ができるかも良くわからないだよね・・・」

東京の友人に会うと、こんな感じの話を100人の内76人くらいから聴きます。

断言します。

まず、ツアーに来ましょう。

イノベーション東北さんのこのツアーは、間違いないと思います。

バス代、食事代、宿泊代を合わせて8,000円と異様に安いです。

いわきツアーは、1月22日(本日)締切。会津ツアーは1月24日締切です。

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「イノベーション東北」は、インターネットの力で東北のビジネスとコミュニティの復興を支援する活動です。
詳細はこちら⇒ http://www.innovationtohoku.com/

Google が中心となり、パートナー企業、団体、賛同いただいた個人の方と一緒にインターネットを通じて
東北のビジネスやコミュニティの復興を加速させることを目指しており、RCF復興支援チームは、
事務局と運営をサポートしています。

今回ご案内する「サポーターツアー」とは、現地に向かい、現地の事業者さんから直接説明を聞くことの
出来るバスツアーです。
事業者さんと交流して頂き、地域の状況や復興チャレンジの内容をよりご理解いただくとともに、
参加者の皆様の間でも連携を深めていただけるイベントです。

動画での紹介はこちら

※本ツアーへのお申込み前に、サポーター登録をお願いいたします※
https://services.google.com/fb/forms/innovationtohokusupporter/

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福島サポーターツアー・日程のご案内
 1.「イノベーション東北」サポーターツアー in いわき
 2.「イノベーション東北」サポーターツアー in 会津若松・喜多方
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1.「イノベーション東北」サポーターツアー in いわき
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日時:1月25日(土)9:00(東京駅集合)~26日(日)20:00(東京駅解散)
募集人数:30名(先着順)
募集締切:1月22日(火)
参加費用:食費、宿泊費(8,000円前後を予定。予約の手配は事務局で行います)

訪問先(予定):
・本多商事 http://www.gurutto-iwaki.com/detail/index_1098.html
・とまとランド見学 http://www.sunshinetomato.co.jp
・いわき食彩館 http://www.sky-store.jp
・TATAKIAGE Japan http://www.tatakiage.jp
・夜明け市場 五楽 http://www.touhoku-yoake.jp
・古滝屋(宿泊) http://www.furutakiya.com
・ファーム白石 http://farm-shiraishi.main.jp
・加茂農産 http://www8.ocn.ne.jp/~nameko

▽お申込みはこちらから▽
http://bit.ly/innovationtohoku-Iwakitour

▽イノベーション東北事務局(RCFスタッフ)担当者・小野より一言

「昼間はまじめに事業者さんの課題を聞いて、マッチングが成立する瞬間に居合わせることができる
かもしれません!!!
夜明け市場でお食事したあと温泉宿に泊まりますので(2次会もあり)絶対楽しいです!
皆様、ぜひご参加ください!!!!」

▽動画でのサポーターツアー in いわきの紹介はこちら

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 2.「イノベーション東北」サポーターツアー in 会津若松・喜多方
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日時:2月1日(土)10:30(郡山駅集合)~2日(日)14:00(郡山駅解散)
※東京駅ではないのでご注意ください
募集人数:25名(先着順)
募集締切:1月24日(金)*募集人数に達した時点で締め切ります
参加費用:食費、宿泊費(8,000円前後を予定。予約の手配は事務局で行います)

訪問先(予定):

・喜多方まちづくりセンター http://kitakata-machi.com
・株式会社IIE http://iie-aizu.jp
・株式会社関美工堂 http://www.b-prize.co.jp
・会津中央乳業 http://www.aizu.ne.jp/aizubeko/
・H&T http://www.aizu-koyou.net/company/aizuwakamatsu/3851

▽お申込みはこちらから▽
http://bit.ly/innovationtohoku-Aizutour

▽イノベーション東北事務局(RCFスタッフ)担当・松沼より一言

「会津若松・喜多方は津波の被害があったわけではなく、見た目は普通の町と変わりません。
しかし、福島第一原発事故の風評被害の影響により、多くのビジネスが打撃を受けました。
そこから再興を期す方々、新しいことに挑戦する方々がいらっしゃいます。
震災からもうすぐ丸3年。現在の状況を聞いてみませんか?ご自身の関わり方が見つかるかもしれません。
そして、夜は会津の美味しいお酒を飲んで語りましょう!」

▽イノベーション東北のFacebookでは、訪問予定の事業者さんや過去のサポーターツアーの
様子を紹介しています。

応募に迷われている方はこちらも是非ご覧ください。
https://www.facebook.com/innovationtohoku

▽「イノベーション東北」事務局へのお問合せはこちら▽
https://services.google.com/fb/forms/innovationtohokuinquiry/

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NHK「はまなかあいづToday」にてインタビューしていただきました。インタビュアーの伊藤博英さんが素敵な方でした。

今日は、NHK福島『はまなかあいづToday』内の「この人に聴きたい」コーナーにて、チャイルドラインこおりやま事務局長として、インタビューを収録してもらいました。

福島ローカルのため、県内のみ視聴可能ですが、明日(1月22日)の18時半頃より5分程度放送されるそうです。よろしければご覧ください。

ディレクターの高木さん、チャイルドラインのことをどう伝えたら良いのか一緒に色々と考えて、短い時間で丁寧に準備してくださいました。ありがとうございます。

そして、今日、スタジオでインタビューをしてくださったアナウンサーの伊藤博英さん、収録直前に初めてお会いしてお話したのですが、とても素敵な方でした。

どんな方なのかなと気になって、帰ってからWEBで伊藤さんについて調べてみたら、色々と発見があったのでご紹介します。

■NHKアナウンサーとして勤続30年を超える大ベテランで『エグゼクティブアナウンサー』という、アナウンサーの中でも役員クラスのポジションにありながら、震災後、福島への赴任を希望してやって来た。

ある日、アナウンスの室長から、「移動があるとしたらどうしますか?」と言われ、私は「福島だったら行ってもいいよ。」ということで、福島を希望してきました。今私の番組では、全国から優秀なアナウンサー・記者を集め、志が高くて、そういう人たちがどんどん集まってきています。朝日新聞の取材において、どうして福島を希望したのかの問いに、私新人時代、福島に育てて頂いて、その人たちがつらい思いをして言いたいことがたくさんあっても、それがなかなか言えなくて、そういうところに行って同じものを食べて、同じ空気を吸って、同じ水を飲んで、同じ思いを共有して、発信源になる人間がそこにいて、そして全国に発信する。皆さんと同じ思いを共有して、皆さんが何を今悩んでいるのか、何が必要なのか、そういう思いを放送して伝えていきたい。と答えました。

私の番組のスタッフみんな、そんな思いでやっています。たくさんの皆さんに見て頂ければそれが私たちの力になります。皆さんの声を遠くに届けることもできると思います。
引用:福島中央ロータリークラブHPより

■アナウンサーとしてだけでなく、ディレクターとしてNHKスペシャルなどの制作にもかかわっており、番組制作の表も裏も経験している。

僕はNHKの、つまりアナウンサーの中でもキャスターの仕事というものを一通り担当してきました。最初はローカル放送局の福島放送局からです。そして福島から長野、長野から名古屋へ行って東京に来て、それで一回仙台にも行って、また東京に来て今に至ります。今まで担当したのは、ローカル放送局のニュース番組。というのも僕は報道系なものですからニュース番組を担当していたんです。東京に来てからやったのは、土曜日と日曜日の昼のテレビニュースからです。それから一旦そこを離れて、政治番組のディレクターをやりながら、キャスターもやるといったことをしました。その時は、NHKスペシャルを作ったりするような側に回っていまして、それが終わって今度は6時台の「おはよう日本」朝のキャスターを担当しました。

引用:Gigazine「必要なのは常識です」NHK勤続30年超の大ベテラン伊藤博英アナウンサーインタビュー

うーん、面白いです。志も非常に共感したので、今度は、ふくしま人図鑑で逆にインタビューさせてもらいたいです。

帰り際、伊藤さんが担当している「FMリクエストアワー」というNHKラジオの昔のヒット番組の復刻版公開収録の案内をいただいたのでそちらも宣伝させてください。今週の土曜だそうです。

30年ぶりに復活する番組ということで、私と同年代だと懐かしさを感じられる方は少ないかもしれませんが、音楽好きのお父さん・お母さんに教えてあげたら喜んでくれるかも?

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ラジオ第1特番「FMリクエストアワー福島」公開生放送
Fリク福島 〜あの頃 僕らは 若かった〜
http://www.nhk.or.jp/fukushima/fmr/special.html
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NHK福島放送局ではラジオ第1特番「FMリクエストアワー福島」公開生放送を実施します。音楽の楽しさを熱く伝えた番組「FMリクエストアワー福島」が一日だけ復活します。懐かしのキャスターたちとともに、当時の懐かしの音楽や福島の話題をお楽しみいただきます。

日時:平成26年1月25日(土)
開場:正午  開演:午後1時  終演予定:午後4時
会場:NHK福島放送局 スタジオ
(福島市早稲町1-2/福島駅東口より徒歩3分)
出演:伊藤 博英 アナウンサー、羽隅 将一 アナウンサー、荒 響子 キャスター
観覧方法:当日の観覧は自由です。
(満席の場合、入場を制限することがありますので、ご了承ください。)
お便り募集:聞きたい懐かしい曲のリクエストや当時の思い出などをお寄せください。

●はがき 〒960-8588
      NHK福島放送局 「FMリクエストアワー」係
●FAX 024-522-3700
●メールフォーム
     番組ホームページからも投稿をお寄せください。
     ※番組ホームページ http://www.nhk.or.jp/fukushima/fmr/special.html

※1月26日追記
チャイルドラインこおりやまホームページに、インタビュー内容が掲載されました。

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は?はんがく?! 高速バスの「さくら観光」が2/27まで平日半額キャンペーンを実施中。福島に来るなら今でしょ!

こんばんは。高速バスで、東京から郡山へ帰宅中です。

私が今、乗っている高速バスの「さくら観光」さんが、1/14から2/27まで月曜日から木曜日までの、平日半額キャンペーンを実施しています。

20140120-004731.jpg

http://www.489.fm/weekday.html

さくら観光さんは(自分の知る限り)、高速バスの価格比較サイトには出てこないバス会社のため、あまりバスに乗らない人には馴染みがないかもしれませんが、多くの路線で最安チケットを販売しているバス会社です。それがさらに半額とは驚異的な安さ。

東京と福島県の間だと、片道で1,330円から1,750円まで。

他にも
東京⇔大阪 2,000円〜
東京⇔名古屋 2,000円〜
東京⇔宮城 1,750円〜
東京⇔金沢 2,200円〜
などなど

平日に時間のとれる方や学生さん、福島に来るなら今ですよ!

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【イベントレポート】いいたてミュージアム勉強会1 飯舘を学ぶー伝統芸能が伝えることー

20140118-000530.jpg

少し前になりますが、先月参加した「いいたてまでいの会」さん主催のイベントのレポートです。

一部、オフレコの話もありましたが、全文その場でメモしました。
(一部、聞き間違いなどあるかもしれませんが、ご容赦ください。雰囲気は伝わるはず)

震災後、離村を余儀なくされた飯舘村(いいたてむら)の村民が相互の絆を維持し、将来の帰村を目指すための活動を推進することを目的とする「いいたてまでいの会」さん主催の勉強会でしたが、村民が離れ離れになった村が結びつくために、伝統芸能が持つ意味。また、それが生まれた背景。復活を目指す地域住民の努力など、非常に感銘を受けました。「伝統芸能」という領域は、ちょっと門外漢な気がしていたのですが、たいへん面白かったです。

10名強の少人数で行いましたが、途中で飯舘村長も飛び入り参加され、濃い有意義な時間でした。明日、第二回勉強会もあるようですので、興味のある方はぜひお越しください。

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【レポート】いいたてミュージアム勉強会1
飯舘を学ぶー伝統芸能が伝えることー
https://www.facebook.com/events/413745258752026/permalink/413745262085359/

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登壇者:
懸田 弘訓(県文化財保護審議会委員、民俗芸能学会福島調査団長)
佐藤 俊雄(県文化財保護審議会委員)
八巻 義徳(飯舘村教育委員会教育長)
小林 めぐみ(福島県立博物館学芸員) ※コーディネーター

他、発言者
菅原 美智子(ラジオ福島アナウンサー)
小野 良昌(写真家)
あらさん(田植え踊り指導)
菅野 典雄(飯舘村村長)

日時:2013年12月22日(日)13:30~15:00
会場:ふくしまキッチンガーデンビル2F(福島県福島市栄町10-3)
参加:無料
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・懸田弘訓(県文化財保護審議会委員、民俗芸能学会福島調査団長):

1940〜1950年の調査では、県内に1200の民俗芸能があった。7〜8年前にカウントし直したら約800に。400が減ったということ。県内の「神楽」は250箇所。170が相馬の旧中村藩。浪江町、富岡町、双葉町といったエリアを中心とした中村藩。

県内の「田植え踊り」は120箇所。70箇所が相馬の中村藩にある。なぜ、そんなに(中村藩に)多いのか。それは、230年前に天明の飢饉があったから。普通は1年で終わる飢饉が5年続いた。

二本松藩は、1年目で人口の1割が餓死した。その後は、多すぎて記録がとれていない。その時、相馬地方が一番被害が大きかった。夏に起きる「やませ」が吹き荒れ、相馬藩の収穫量が年ごとに減り、平常時の1〜2割に。。5年目には、人口が3分の1になった。6人家族であれば、4人が亡くなり2人に。

飯舘村は特に標高が高い。1年おきに凶作になるところも。餓死者も多く、ひどい時は「犬や猫の糞でも口に入れてくれ」と口にして死んでいった人がいるという記録もある。ほとんどが農民なので、(人口が激減した状態では、)藩が成り立たない。そこで、相馬藩の政策として移民を募った。餓死者の空き家や農地を割り振った。ご法度のため、1件だと移民は怖くてできないので、数戸が集まってした。昼間は歩かずに山の中に隠れながら。1〜2ヶ月で相馬にたどり着く。ただ、日本海から太平洋に来て簡単には定着できない。そこで、彼らが支えにしたのが民俗芸能。

神楽は五穀豊穣を願う。定期的に春と秋に行う。大雷神社。ことあるごとに神楽をする。だから多くなった。田植え踊りは豊作祈願は願う。あっという間に広がった。だから、県内で120ある田植え踊りのうち、70が相馬。また、その中で18が飯舘村。ただ、なくなったところもあり、12箇所が県の指定。(震災の影響で調査がストップし、1箇所。まだ県指定にできていないところもある)

田植え踊りの特色は、320年前の会津藩が書き残した風俗帳(?)に記録がある。若い男が女装して、田植えに関する歌を歌って太鼓をたたき、家々を回って歩いた。(「踊った」という記録はないので、当時は踊りではなく行事だった)

文化年間の記録だと、同じ若い男が、「雌型にこしらえて」「早乙女に扮して」、「一軒一軒を歩いて」。そこに笛が加わり「踊った」そう。行事としては320年前に生まれ、200年ほど前に踊りが加わった。

最初は単純な踊り。立って扇子を待ち、八の字に4回まわして、戻して2回まわして、手を広げるだけ。化粧をして、笠をかぶって、これは下手な女性より色っぽくなる。あ、ごめんなさい(笑) ※女性の方を向いて

これが二本松に来ると、23の踊り(動き)になる。田植えの動きをすべてやる。草むしり、種まき、田植え、稲刈り、脱穀、俵に詰める、俵を重ねるなど。

それが、飯舘村に入る。飯舘村の田植え踊りは、石井(編者:旧石井村のこと?)のものに非常によく似ている。

飯舘村は村と言っても非常に広い。18のうち、15〜16の田植え踊りを体験したが、全く違う。それぞれ変化した。

二本松の石井は二列にならぶ。奴(やっこ)と早乙女が。

飯舘は丸くなる(円になる)演目がある。

浪江町の津島に行くと、わらびおか(飯舘村蕨平の聞き間違い?)とそっくり。

飯舘から枝分かれして、原町・小高に行く。原町・小高に行って変化しながら海岸へ行く。最終的に小高区の村上の田植え踊りと、浪江町の請戸(うけど)の田植え踊りはほとんど同じ。地元の人は違うというが(笑)我々からすると同じ。村上から請戸の方に伝えた。

二列になった早乙女と奴(やっこ)の間に、太鼓持ちが二人はいる。

飯舘村は、田植え踊りをいろいろにアレンジし、浜通りに広がっていった家元。だから大切。どれが1番大切とは言えないが、どれも大切。だから面白い。家元をなしたというプライドを、飯舘の方はぜひなくさないでいただきたい。

その他、飯舘には、草野・比曽(ひそ)の三匹獅子がある。相馬藩の三匹獅子は四匹か五匹。形態的に宮城県に近い。中通り、会津はすべて三匹。子どもがやることが多い。これは、飯館と中通りとの交流があった証明。塩の道を通った。かつてのメインストリート。

昔、岩代町(今の二本松)のおばぁが言っていた。

「昔の方が活きのいい魚を食べられた。相馬でとれた魚を裸馬(はだかうま)に乗せて、相馬から飯舘を撮って小浜(おばま ※編者:旧二本松の小浜町のこと?)に運ぶ。それを下ろしていくから」

この話から、中通りと飯舘との交流は非常にあったということが言える。

田植え踊りの復元に関しては、非常に苦労をかけた。中学生には無理だと思った。難しいんです、なかなか。ラジオ福島にお世話になったのは、何月頃でしたっけ? 去年でしたよね。放送のための録音でお邪魔したんですよ。計画したのか偶然か分からないが、(ラジオ福島の)菅原さんがお越しになって、「田植え踊りの復活を考えている」と言っていた。私、美人に弱いので(笑) これは何とかしなければと思った。

予算はなかったが、飯舘のために何とか工面した。女子生徒はきれいな留め袖で踊っているが、男は法被(はっぴ)。ちょっとかわいそう。確約はできないが、来年度、男の子のための紋付羽織を、予算が通ればさしあげたい。

震災のあった平成23年度に文化庁から(伝統芸能の)調査をやれと話があり、調査団をつくって調査を始めた。ただ、浜通りはみんな地元におらず、その時、どこにいるかわからない。役場でも教えてもらえない。個人的な繋がりで探した。どうしてもいなく、13の教育委員会をすべて回った。会津まで行った。中には手一杯で協力できない団体もあった。飯舘も。

困っちゃって、初年度は調査できなかった。偶然、佐藤さん(佐藤俊雄|村文化財保護審議会委員)の携帯電話番号がでてきた。生き字引なので、佐藤さんにさっそく電話して、「悪いけど、できたら被災した方の居場所を探してくれ」と言って。苦労したと思いますよ。30団体くらい探してくれて、28団体くらい調査できました。一番の功績は佐藤さん。いなかったら、飯舘村は一箇所も調査できなかった。

そういうことで何とか、数えきれないほど飯舘村にはお世話になったが、ご恩返しができればということで。

原さんの保存会の中で、地元に帰るまでの間、子どもたちに教えて繋いでもらう。それは、学校の協力がないとできないので、協力をいただいている。補助ではなく。いつの日か、地元に帰って、大人も子どもも一緒に踊れる日を夢見ています。ちょうど15秒前ですね。ありがとうございます。

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・佐藤俊雄(村文化財保護審議会委員):

小林さんの方から理論的にしゃべろということがあったんですけどそういう話はできませんで(笑) 役場に40年近くお世話になってますけど、私が携わってきた歴史の検証など、みなさんにお話できれば。

実は、今、話がありましたように、飯樋(いいとい)という町の出身です。

最初に郷土芸能みたいなものにでくわしたのは、飯樋の●●神社の●●様(※聞き取れず)という、農の神様。4年に1回の大祭で、お宮(おみや)を移す。2日に渡るお休み。その時の山車(だし)に子どもたちについてもらう。

田植え踊りは、小正月の時にやる行事。地区の10数戸の部落が、新年会の時に「田植え踊りやっぺ」という話しになる。

明日から練習するという話しになった。昭和38年。中学3年生の時。あの時は、10数戸でも子どもたちがいっぱいいたので、人数はなんとかなった。

私たちが頭で、一番下は小学校4年生の女の子。それで、2日間やる。7日間練習をして、最後の時にお寺を回って集落を回って。

仕草や歌も若干覚えている。

それぞれの田植え踊りに色んな特色がある。江戸時代の飯樋村(いいといむら)。4つか5つ田植え踊りがあるが、それぞれ違う。飯樋村が一番華やか。やわき(?)というところは、石の七福神が出るところ。七福神が田植え踊りの前に出てくるところ。おおくぼってところは、ほんのう踊り(?)。ちょっと違う踊り。それぞれのいいところをとりあげて、自分たちの踊りにしていった。

私は、高校が終わって役場に行って。もともと、古い話が好きだった。小学校の時に土器を拾ったのが始まり。文化財の仕事に携わるようになりました。青年会活動の中で、田植え踊りを復活しようという話があちこちから出た。

深谷(ふかや)の青年会がまず田植え踊りを復活させました。たまたま広報の担当だった。広報の表紙に載せました。県の方でもその時期に、『民俗芸能を継承させる』というテーマで事業がありまして、民俗芸能のふるさととして指定を受けました。飯舘の会津の南郷だったと思うが。青年会も何地区か、公募に出しました。

その時に、民俗芸能大会というのをやることになりました。3年か4年は毎年やったと思います。

田植え踊り・神楽・それから三匹獅子を中心に、ずっと続いています。その後、一時、廃れまして、竹下登さんが一億円を配ったあの時期に、「飯舘の地区にもお金をあげるので地域おこしを自分たちで考えてやりなさい」というのがあった。知恵を絞って、田植え踊り、郷土芸能をやろうという動きがあった。そこでまた盛り上がり。飯樋、やまきはまだ復活できませんでした。

その前、県の指定は12箇所。当時、復活していた。

その後、3箇所、やまき、飯樋町(いいといまち)、八木沢(やぎさわ)というところが復活した。が、指定を受けるまでには至りませんでした。

その後、飯樋町に、何とか復活させたいという希望を持った指導者が現れまして、やりたいということで、その後ですね、始まったのは。ずいぶん苦労して、田植え踊りを復活させてもらいました。その他の芸能も、芸能復興祭という形で、今も続いていますけど、やっています。

三匹獅子の話。比曽(ひそ)で中断することなく続いています。私が公民館に入った頃、くさっぱでやっているのを高校生の時に写真を撮りに行った。

中通りとの交流の関係で、塩の道の獅子大会を2回くらいやりました。あっちの方の田植え踊りを招待しまして。三匹獅子をやってもらいました。盛況になりまして。踊りも、似ているんですね。そんなことがありました。そんなところが今までですね。やまきの後は飯樋町だったと思います。

おかげさまで、県の大会とか全国大会にも出させてもらって継承してきた。震災があって、踊ってくれる人が少なくなって苦労しているようであります。私は、教育委員会とかでやれやれ言っていただけで、実際にやりませんでした(笑)

中学校の校長先生とある会議を一緒にやりまして。中学校で子どもたちに芸能を伝えたいということを考えてるというお話がありまして。なら、田植え踊りでしょう。しかも、できそうなのは、飯舘町だなということを言って。

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・小林 めぐみ(福島県立博物館学芸員):

飯舘村の行政が「伝統芸能を復活させたい」ということで色々なことをされた。行政側のアプローチがあって、一方で、何かもらえる国からのお金で「何かしませんかね」っていうところで、自発的に出てきたプランが「伝統芸能を復活させたい」ということが素晴らしかったと思います。その方向性があることで、飯舘村で伝統芸能があることを素晴らしいと思いました。

今年は、中学校の授業の中でやっていらっしゃいます。保存会の皆さんご協力をいただきながらやっていただいていると思いますが、集大成として、古民家で本来の形に近い形でやってもらいました。

本日、菅野村長にお越しいただいておりますので、ここで突然ですみませんが、個人として、村としてどう捉えていらっしゃるのかお聴きできたら嬉しいです。

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・菅野 典雄(飯舘村村長):

飯舘にとって害のないシンポジウムの害のあるシンポジウムがある。どちらかは題をみてすぐにわかるが、そういうのもあって(害のないシンポジウムと思って)、今日はおじゃましてみた。

「震災にあわなかったらこんなことはできなかったよ」という考えがあれば、避難生活を乗りきれる、ひとつの心の持ち方かなと。

皆様方のおかげで、子どもたちに伝統芸能が引き継がれたということは、たぶん震災に合わなければこんなことにならなかったのではないかという思いがありまして、多くの人達のおかげでバトンタッチができている。心のバトンタッチができるのはとても嬉しいことだなと思っています。突然で、答えられたか分かりませんが、ご挨拶に変えさせていただきます。

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・小林:

厚かましくて有名な小林で。これで人生を渡ってきまして申し訳ございません(笑)

中学生の田植え踊り、保存会のみなさんの協力で、ほんとにできるのかと思ったものが形になりました。

福島県の飯野の古民家。12月5日に舞ってもらいました。中学生の本気度、ぜひみていただきたいと思います。

では、撮影した小野さんお願いします。

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・小野 良昌(写真家):

今日の上映会は10分ということで、10分に無理やり編集しました。

懸田さんのインタビュー、あらさんのインタビュー、学校の先生へのインタビューをして、30分位の構成のものができれば良いと思いつつ、毎週木曜日に、あらさんとかに来て教えたり、こども達と先生だけで教えるときもありますけど、そこで僕が思うのは、僕も実際、田植え踊りを子どもたちと同じように知らないで行くことにしていたので、子どもたちが飽きている表情が。

僕自身もモヤモヤしたものがありましたので、仮設、●●(←聞き取れず)、学校の文化祭、境野(さかいの)さんのお宅の4回、(やっている間に)吸収していく。踊りへの興味のない子もたしかにいるんでしょうけど、全員がいろんな場所でやるのは良い経験になっているのだろうと、つくづく思いました。学校の先生も、知らない状態でスタートしているのもあると思うので、1回経験した方たちが先生も含めて次にどう伝えていくのか楽しみです。

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・小林:

次年度以降もふるさと学習を続けていくとお聞きしています。2年生は昔話を教えてもらって紙芝居。3年生は味噌を作って。村の文化を村の人に学びながら、ときどき、外の方、小野さんのような方に手伝ってもらいながら、核心を学んで受け継いでいくのかなと思います。

素晴らしい取り組みだと思っています。3年目には3学年合同でできるかもしれませんね。そんなことができたら素晴らしいと思います。

今までの動きを、教育長からご感想も含めてお聴きしたいと思います。よろしくお願いいたします。

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・八巻 義徳(飯舘村教育委員会教育長)

私も実際に飯舘村で生まれて、中学まで飯舘。その後、外で生活してまいりましたので、小さな頃、聴いたなという感じがします。さきほど、懸田先生のお話。発表までもってきていただいた佐藤さんのお話、原さん、小野さんのご努力に心から感謝いたします。

やる気あるのかないのかわからない表情からここまでの表情に変わってくる。これも大きな成長だと思います。子どもたちを見ていて、できるだけステージに立つ回数を増やしていく。それによって子どもたちが変わっていく。学校でも見られないような代わり方。その変化を学校の先生は恐れてはいけないと思います。特に、今、子どもたち避難生活をしておりまして、ずっと幼小中を合わせると、村立(の学校)にいるのは半分くらいの子どもたち。半分ですけど、飯舘村にいる時より圧倒的に人と人のかかわりは増えていると思います。これはこれで良いことと思いますし、離れているだけに飯舘の自然を考える機会も増えているのかと思います。

ふるさとを知ることは自分を知ること、伝統を知ることは親に感謝することでありますし、その中で自分の生まれ・生い立ちに誇りをもてることなのかなと思います。懸田先生の話しにありましたように、食との繋がり。自然との繋がりがあるものですから、食育かなと思います。

人口が増える・増えないはともかく交流人口は増やさないといけないと思います。定住人口はもちろん、交流人口。そのためには今までの伝統を大事にしながら、新しい知恵を入れていく、外の力を入れていく。その中に文化財があると思います。特に今日みたいな無形文化財にはフォローの風が吹いていると思います。ふるさとを離れてみて、自分たちの文化財をどう守るか。離れているから危機感があるわけで、危機感があるのは大きなパワーにある。そういう環境にあると思います。

なんとかこのパワーを利用して飯舘村の再生につなげていきたい。集まっている皆様なり、有識者の力をお借りしなければならないと改めて感じております。この時の学校の役割りは大きいと思っております。なかなか外から見えないと思いますが、飯舘村は僻地指定になってるので、手を上げれば2年で異動できます。教員レベルで繋いでいくのは難しいと思います。3月になれば、震災の時のあの困難を知っている者はほぼいなくなる。地域住民の協力がなければ、維持ができない。地域住民が核になる必要を感じています。

昨年から今年にかけて、本気になって議論しまして、学校運営協議会で学校経営をしていくと。来年の4月から変えていきます。

地域運営協議会に学校長がプレゼンして、「ああして欲しいこうして欲しい」を地域住民にお聴きして、計画を立てていく。その中で、地域の方から、伝統的な時間が足りないとか、勉強時間が足りなくなるとか、そういった議論をしていきたい。

土曜日の隔週2日くらいの有効活用ということに今、考えているところであります。どうしても月曜日から金曜日、余裕がないということで、土曜日の過ごし方で課題を抱えているので、土曜日に、充実していないということであれば、学校側で土曜日の活用の仕方ということで提案していきたい。

住民が残すもの、変えるものを主体的に子どもたちと考える時間にもなると思います。多くのかかわっていただける方々、なんとかしてやりたいと思っている方々と連携できるのかなと思っております。

そんなことで、地域主体で学校主体で、有識者の方針をいただきながら、新しい決意をしていたところでございます。

今後共、子どもたちとかかわっていただけたらということでまとめさせていただきました。ありがとうございます。

====

・小林:

学校の方針に地域の方々がかかわるということで、今年始まったものがパワーアップして内容も濃くなっていくと思いました。良い形で二輪になって、子どもたちに良い形で活動していく場を作ってくださるのだと思います。

その中で、交流人口を増やす、「かかわりしろ」をつくっていただくということと思いまして、何か一緒にできることを嬉しく思います。

伝統芸能が様々なことを伝えていることが見えてきたと思いますが、色々な人の願いを込めた伝統芸能。今も変わらないと思います。子どもたちも、今はピンと来なくても、みなさんの幸せを願いながらしていただけるのだと思います。

あらさん、1年間、子どもたちの様子を見ての感想、いただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。

====

・あらさん:

なんでふるの(笑)

あのね。このふるさと学習。その中の伝統芸。もともと、飯舘って子どもたちが踊っていたのね。子どもたちが踊ってやっていくと、社会人になっても覚えているわけ。だんだん、中学生・高校生になると恥ずかしいってなる。だんだんやらなくなる。で、一般社会人がやる。

不思議なもので、最初、私たちも映像で見るように、練習段階で子どもは嫌がる。中学生くらい。色気もついてきて。特に女の子はそう。いやいやながらやっている。ところが不思議なもので。だんだん、人前で。最初は仮設。松川のだいず(?)仮設。まるきり練習の時と態度が変わった。「こんなことではまずいんじゃないの」って自覚する。無理やり飯舘の文化祭に出して、踊らせて、みんなではなかったんですけど、その中で、違ったまた感動で。本番のせきしょうさい(?)。これが踊ってみたら、素晴らしい、踊った人もそうだけど、見ている人に感動を与える。松川の第二仮設に行った時。

踊りは歌もそうだが、素質がある。素質がある人は上手。見た目にはっきりわかる。上手下手はやむを得ない。全国大会に行くとなれば、まだまだ練習して上手な人を連れて行く。みんなで一つのものを作り上げ、踊って見せて、見ている人に感動を与える。松川の第二仮設に行った時、3年生の作った味噌でできたおにぎり・お味噌汁を飲んで、伝統芸能を見る。最高のパフォーマンス。ある人は「冥土の土産に最高だった」と言っていた。たいへん素晴らしい。子どもさんも高齢者の方も。

勉強ではできなかった、色んな人に感動を与えるというようなことも、人生経験の中では、重要だったなと思います。子どもたち、表情もだんだん変わってくるでしょ。

着物を来て、境野先生のところに行った時には、化粧をしてくれたんです。化粧をするとき見ていたんですが、鏡の前で自分の表情が変わるわけです。「まぁきれいね」なんて(笑)

それで着物を着るでしょ。それでだんだん表情が変わる。子どもって素直ですから、私は素晴らしい宝物を懸田先生にいただけたわけですから、素晴らしい伝統芸能を後輩に伝えられたらと私は思います。

====

・小林:

子どもたちの方も、終わった時にまたやりたいと言ってくれました。子どもたち、またやりたいと言ってくれたの大きな変化ですよね。すごく楽しみな飯舘中学校の田植え踊りです。

====

・懸田:

岩手県では小学校の7割が芸能やっている。中学校は6割。子どもたちの芸能大会をやっている。卒業生も来ていたが、学校にいて芸能をやっていたら、都会にいて挫折したら戻ってころう。

地元で仲間と一緒に芸能をやっていたこと。仲間がいるというプライド。それが大きな支えになった。

一つのことを成し遂げる、辛いことを成し遂げる感動。それが絆を強める。芸能そのものは義務感でやるのではなく、学校の共同体としての絆を深めるため。その精神的な力を養う場。言い換えるとふるさとそのもの。芸能なくなるとふるさとなくなる。大切な文化財というだけではやってくれない。面白い、そして感動を与えることができた、みなさんとやって楽しかった。それが芸能を支えると思う。

====

・先生:

もう一つありまして。学力と生活状況調査というのが1年に1回ある。飯舘村のこどもの自己肯定感・自己有用感が低い。さきほど、あべさんが言われたように「美人だね」とか、本気になって喜ぶ。これは本当に大事なことだと思いまして。ただ、教員の多くは交渉することが苦手。地域支援コーディネーターという補助事業で1人を配置し、外の大人とコーディネーションする人を配置している。

====

・佐藤:

こんなことを好きでやってきただけで。。。好きだからこそ続いていくような気がします。この間、ちらっと中学校で、飯舘村の田植え踊りだけやるんだと言われたそうで。これはチャンスだと思います。他の地区でもプライドを出すために、良い企画だと思います。なかなかたいへんだと思いますけど、これからもそういう形で何かできればありがたいと思います。今日はありがとうございました。

====

・小林:

今日はみなさん、お集まりくださいまして、ありがとうございました。これで私の役目を終わらせていただきまして、菅原さんにお戻ししたいと思います。

====

・菅原 美智子(ラジオ福島アナウンサー):

半年で見事に変身した生徒の様子を見て感無量でございます。来年度、どうするかがひとつ
課題と思いますが、地元住民の本気度が重要という話しができましたので、ぜひぜひ地元の方の協力をお願いします。

今まで、仮設住宅にいたお年寄りがやっとでてきた。そして、歌を口ずさんだ。それが一番の成果だと思います。原発関連死の方が直接の被害者よりも多くなっている。

仮説に住んでいるお年寄りにどういう風に生きがいを持っていただいたら良いのか。そもそもの出発がそこだったんです。子どもはその次だったんです。お年寄りが最初だったんです。目標に向かって、ほんのわずかですが、達成できたのではないかと私は感じます。

本当にささやかではありますが、そっと寄り添っていけたらいいなと考えておりますので、ご支援の方、よろしくお願いいたします。

==================

途中、中学生による「田植え踊り」の上映があり、これは文章では伝えられないのですが、youtubeにアップするという話もあるそうで、希望があれば、ぜひ、いいたてまでいの会さんまでお問い合わせください。

また、明日(1月18日1)の14時から、以下の通り、第二回勉強会を開催するそうです。

次回の勉強会は、いいたてミュージアムの発案者・港千尋さんをお招きします。 前半では「港千尋さんのいいたてミュージアムワークショップ」、後半のトークでは「港千尋さんに聞く<いいたてミュージアムって何するの?>」をテーマにお話しいただきます。

いいたてミュージアム勉強会2
「いいたてミュージアムって何するの?」

日時:2014年1月18日(土)14:00~16:00
講師:港千尋さん(写真家・多摩美術大学教授)
会場:ふくしまキッチンガーデンビル2F(福島県福島市栄町10-3)
お問い合わせ:いいたてまでいの会事務局(070-5622-4982)

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「本当の自分というのは、つねに分人の総体にすぎない」 分人主義とスプートニクの恋人

  • 投稿者: hayato
  • 2014年1月16日 12:13 AM
  • 未分類

自殺対策支援センターライフリンクの清水さんが『分人主義』という考え方を強く推しています。

発案者は、芥川賞作家の平野啓一郎さんで、NHKのサイトに書いてある概要は以下の通りです。

“分人主義”という言葉は、芥川賞作家の平野啓一郎さんが提起している考え方です。
たった一つの「本当の自分」がいるはずという“個人主義”の考え方にとらわれるのではなく、いろいろな自分(分人)が自分の中にいるという考え方をすることで、生きづらい自分を完全否定しなくなるのでは、というとらえ方です。

この本により詳しく書いてあるようです。

村上春樹が『スプートニクの恋人』の中で、以下のような言葉を書いています。

「理解というものは、つねに誤解の総体にすぎない」

高校生の時にこの言葉と出会い、「うん・・・ そうだ。そうだよな」と思ってから、自分の中でずっとしっくり来ている言葉です。

分人主義について読んでいると、その村上春樹の言葉に近いニュアンスを感じます。

そこで、「理解=本当の自分」「誤解=分人」という風に、この言葉を捉え直してみたらどうだろうかと、ふと考えました。

やや強引かもしれませんが・・・

「本当の自分というのは、つねに分人の総体にすぎない」

「理解されたい」と思っている時、それが実は「本当の自分を知って欲しい」という願望だとしたら、そのことが実現するのは非常に困難だけど、相手から見えている自分が「あくまでも一人の分人」だとして、「誤解」を受け入れられたら、なんだかとっても楽な気がします。

「本当の自分」という存在があるものとして、自己実現や他者からの理解を得ることをゴールにしてしまうと、「本当の自分」との比較で色んなものを考えてしまう。でも、「分人の総体」として自分を捉え直したら、それぞれの分人に対しては、自己実現や正しい理解というのができやすくなるんじゃないでしょうか。

facebookでは頻繁に交流しているけど、リアルであまり話したことない人と、実際に会って色々と話してみると「ネット上とけっこう印象が違いますねー」って言われること、しばしばあります。そう言われるとなんだか、「WEB上のキャラとリアルのキャラって違うのかな?」という気がして、何となく居心地が悪い。

久々に地元の友達や親戚に会うと、昔の関係や印象のままでお互いに話をするから、「それは昔の自分で、今の自分はそうではないのに」とか、逆に「昔の方がもっと自分らしかったなー」と、違和感(=「本当の自分」とのずれ)を感じることもある。

でも、「そういう風に色んな見え方がある自分が自分だよなー」と思って、それぞれの「分人」をきちんと認識できると、それはそれで幅が広がって楽しいかも。

(分人の例)

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今年もよろしくお願いします。

  • 投稿者: hayato
  • 2014年1月1日 1:09 AM
  • 未分類

あけましておめでとうございます。

1年10ヶ月ほどの間、まったく更新していなかったこのブログですが、久々に更新。

2012年3月に会社を退職し、その後、本当に偶然の重なりで福島県に越してきましたが、
福島に来てからこの2年弱、本当に良い出逢いに恵まれ、充実した時間を過ごせています。

引っ越しの経緯や現在の活動内容は、こちらのサイトをご参照ください。

朝日新聞degital就活エトセトラ:福島へIターン 子どもの話を聴ける大人を増やしたい

福島に来てから、メディアで自分が見知っていたものとは違う、福島の姿を知り、
もっと県外の人に発信をしたいと思い「ふくしま人図鑑」というインタビューサイトを立ち上げましたが、
更新ペースが思うように上がらなかったのが去年の反省です。

今年は、ふくしま人図鑑の内容を充実させると共に、
個人的に見聞きした情報や自分が感じたことの発信を積極的に行っていきたいと思い、
ブログを復活させました。

皆様、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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心に絡まる蔦(ツタ)はどこから? 「国分寺大人倶楽部:ハローワーク」

久々のブログ更新。
ちょうど半年前の記事で紹介した「国分寺大人倶楽部」の
活動休止前最終公演「ハローワーク」を見てきました。
主宰の河西が、過去の公演の中で最も思い入れのある作品の再演とのことです。

国分寺大人倶楽部 第9回公演 『ハローワーク』
脚本•演出 河西裕介
日時 2012.2.8(Wed)-2.19(Sun)
会場 中野テアトルBONBON

【ストーリー】
舞台は工場。
延々と続く流れ作業。2人の社員と、7人のバイト。
無断欠勤の多い27歳♂。
男手一つで子供を育てる43歳♂。
夢をあきらめた29歳♂。
夢と現実に揺れる25歳♂。
その彼女24歳♀。
童貞フリーター35歳♂。
人生なめてる21歳♂。
人生なめてる20歳♀。
その姉22歳♀。
それぞれの、一夜。それぞれの、人生。それぞれの、ワーク。
ハロー、ワーク☆

国分寺大人倶楽部は、この3年近く、欠かさず見続けてきましたが、今回を持って活動休止。
これが最後の機会になるかもしれないので、
「見に行こうか迷っている」人の参考になればと思い、
自分にとっての国分寺大人倶楽部とはどんな劇団なのかを考えてみました。

※普段から小劇場で観劇をする習慣はないので、
 他劇団との比較ではなく、個人的な絶対評価として書きます。

———

国分寺大人倶楽部の公演を観た後は、いつも心にズシリと重さを感じます。

心が、どこかから伸びてくる無数の蔦(ツタ)に絡まって、動けないような感覚。

今回もそうでした。特にラストの展開がかなり重くて、
観劇後しばらく、心がその場所からどこにも行けなくなってしまいました。

ただ、自分はこの、ズッシリと重い感覚を求めて、
ここ何年か国分寺大人倶楽部の劇を見に来ていたように思います。

普段の自分が、自分の心とどう付き合っているかというと、
とにかくあっちへ行ったりこっちへ行ったりと、落ち着きがありません。
自分でも、今の自分の心がどこにあるのか分からない感じ。

そして、疲れてきたり、ダメージが溜まってくると、
トカゲのしっぽ切りのように、都合の悪い部分、面倒な部分は、
本体からちょん切って、なかったことにし、
「悪い部分は取り除き、問題解決した!」と思い込んでいます。

ちょっと抽象的だから具体例をあげると、
「仲間から孤立した時の寂しい心」とか
「遠い国で、理不尽な理由で命を落とす子供たちを悼む心」とか、
「目標達成した時の嬉しい心」とか。

3つ目のはポジティブな感情だから、
ちょっと意外かもしれないけど、例えば、
目標の未達が続いて指導者から叱責を受けたりして、
目標に向かうこと自体が嫌になった時、
そもそも「達成したら嬉しい」と感じること心を、
自分の中から無かったことにしてしまう。

なんてことも、あると思います。

そうやって、都合が悪くて本体から切り離した心って
トカゲのしっぽとは違って、きっと、
切り取られたままで生きているんですよね。

切れば切るほど、心はどんどんバラバラになって、
感受性は弱り、色んなことに鈍感になっていく。
文字通り、心に余裕がなくなり、他人の気持ちも分からなくなってくる。

だからこそ、自分の心にはできれば敏感でいたいし、
切り取ったものは機会を見つけた取り戻したいし、
心が疲れたりダメージを負っても、なかったことにしないで、
そのまま引き受けるようになりたいと思っています。

※この「トカゲのしっぽ切り」論はさっきふと思いついたのですが、
深堀りできそうだから、また別の機会に書いてみたいです。

—–

少しそれましたが、劇の話に戻ると
「国分寺大人倶楽部」の舞台を見るという行為は、
自分にとっては、切り離してバラバラになってしまった
心の破片を、見つけていくという意味がありました。

劇を観ている時、どこかから伸びてきて、心にからまってきた
蔦(ツタ)というのは、きっと、過去に自分が切り離してしまった
心の破片から芽を出し、ニョキニョキと伸びてきたものなんです。

切り離して放置している心の破片は、今の自分にとっては重くて厄介者だから、
なるべく見ないよう、起こさないようにしているのですが、
舞台にいる役者の演技、リアルな表現によって、
それらは目を覚ませられ、「おい! 俺たちはまだここにいるぞ!」
と主張し、蔦(ツタ)を伸ばしてくるんです。

国分寺大人倶楽部の舞台では、
だいたいどの作品でも人が死にます。
恋愛シーンも多いですが、両思いでうまくいくカップルはまれで、
片思いでうまくいかなかったり、死別してしまったり、悲劇も多いです。

多くの登場人物が心にダメージを受けていて、
その心の動きや、喪失の表現が秀逸です。

実際に見に行ってみないと説明が難しいのですが、
悲劇だけど、あざとくない。笑いもある。
フィクションだけど、中身は等身大のリアル。

描かれているのはあくまでも
登場人物それぞれの物語であって、
観客に「ここで共感してくれ」とか「ここ分かるよね」と
強制してくるように感じさせないのです。

素直に、それぞれの人物が
それぞれのリアルな姿を見せているからこそ、
観客の心も素直に呼応しやすいのだと思います。
(好き嫌い、相性は当然あると思いますが)

活動休止前最後の公演ということで、
ひとりでも多くの人に見てもらえればと思い、
久々にブログ書いてみました。

やや目を背けたくなるハードなシーンもありますが、
ちょっと心に重みを感じても良いかなという方はぜひ。

国分寺大人倶楽部 第9回公演 『ハローワーク』

毎回流れる”Blanky Jet City”

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ダイアログ・イン・ザ・ダーク 〜叶えて欲しい約束〜

志村季世恵さんという方がいます。

「バースセラピスト」という肩書きで、
余命宣告を受けた方や、出産を控えた母親の
心のケアを、延べ三万人以上されてきている方。

数ヶ月前、自分がとてもお世話になっている方から
「こんな仕事をしている人がいるけど、隼人くんは興味あるんじゃないかな?」と
教えてもらい、本を読んで、とても感銘を受けました。
(その中の1冊があまりに良い本だったので、既に周りの4人にプレゼントしました)

いのちのバトン(著:志村季世恵)

その志村さんと、志村さんが理事をしている
「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」という
エンターテイメントについてご紹介します。

志村さんがバースセラピストの仕事をしながら何を感じ、
そしてダイアログ・イン・ザ・ダークが
どんな目的で何をしているのか、
6分ほどでまとめられた動画があるので、
まずは見て欲しいです。
(自分は初めて家でこの動画を見た時、感動して泣きました)

社会イノベータ公志園 志村季世恵×ダイアログ

※プレゼン前半部分より抜粋

「約束」

・・・

その頃私は カウンセリングをする中 悩んでいた

延べ3万人のクライアントの苦しみは

評価の中でしか自分の価値を見いだせない

常に目標達成に追われる

自分なんて取り替え可能

孤独、不安、比較、争い、妬み、
無気力、不信感、自己否定・・・等

一方で、死をきっかけに本当の自分に向き合う人がいる

ターミナルケア 死を目前に苦しむ人達へのカウンセリング

私は末期ガンの人達と最期の時を共に過ごす

私は尋ねます「あなたの大切な人に残したいメッセージは?」

S.I.くん 享年13歳
『友達と弟へ』
人を嫌わないで信じて欲しい

Y.R.さん 享年45歳
『妻と四歳の息子に』
幸せは自分で決めていい

C.M.さん 享年33歳
『生きている全ての人へ』
生きる意味を元気なうちに知ってほしい

みんなの願い それは

助けあう
繋がる
信じる
慈しむ

本当の幸せはシンプル

彼女たちはみんなに伝えてほしいと
私に言い残し逝った

『約束』

でもどうやって伝えよう

本を出しても講演しても伝えきれない

私は答えを探していた

ある日、友人とダイアログ・イン・ザ・ダークの新聞記事を見た

日本でも開催してみよう

・・・
(引用ここまで)

志村さんがカウンセリングをした方との約束、
伝えたいメッセージ

助けあう
繋がる
信じる
慈しむ

は、
自分がみんなに伝えたいメッセージと一緒で、
どうやってそれをしていくかを
ずっと模索しています。

伝える以前に、自身ができていないことが多いので、
自然にできるように日々もがいていますが・・・

とにかく、実際にどんなものなのか、まずは参加して
知ってみねばと思い、この連休中に行って来ました。

ダイアログ・イン・ザ・ダーク@横浜

参加した時のグループは、老若男女合わせて11名。
(自分は一人で参加)

ここから先、ややネタバレになっちゃうんですが、
その時は、90分のプログラムの中に、
ビールを飲んで、アイス(たぶんハーゲンダッツ)を
食べるというものがありました。

視覚障がい者のアテンドさんに先導してもらい、
会場内のどこかにある椅子まで歩き、座り、
ビールをグラスに注ぎ、呑み、
アイスを持ち、食べるのですが、
この「椅子まで歩き、座る」というのがまず大変で、
暗闇の中に机が1つと椅子が11脚あって、
そこにみんながそれぞれ座らないといけないんです。

「隼人さん、こっちの椅子空いてますよー」
「え、どっちですか? 右? 左?」
「あー、分からないけど、たぶん隼人さんから見て右じゃないかな?(笑)」
「そっちですかー。ああ、机にぶつかった(笑)
 ここかなー。あ、ごめんなさい、もう座ってましたか(笑)」

みたいな。

ただ椅子に座るだけでもコミュニケーション
ちゃんととらないとダメ。
自分の状態と相手の状態を常に確認する必要がある。

アイスを食べる時も、

「これは、、、うーん、バニラですかねー」
「このコクは、、、 きっとハーゲンダッツでしょうねー」
とか言いながら、おっかなびっくりと。

カップのアイスなんだけど、
やたら固く凍っていた(ように感じた)ので、
一生懸命、力を入れてスプーンで掘って、
「ああ、強く掘りすぎて飛んでった(笑)」
みたいに、アイス1つ食べるのでも大盛り上がり。

それで、また、おいしいんです。
ビールとアイスが。

理屈としては、視覚を使わないことで、
普段は使っていない味覚や嗅覚が鋭敏に
なるからおいしいってことなんですが、
それだけじゃなくて、「おいしい」「楽しい」
「なんかうまく食べられない」っていうそれぞれの感覚を、
周りの人とコミュニケーションとりながら
共有するのも、すごく意味がある。

助けあう
繋がる
信じる
慈しむ

これって必ずしも、特別なことをしなきゃいけないわけじゃなくて、
目の前にあるもの・出来事を、しっかり感じて楽しむ、
一瞬一瞬を味わう、大事にするってことなんだと思います。

ダイアログ・イン・ザ・ダークは、
限定された状況の中でそれに気づくキッカケを
与えてくれて、参加した一人ひとりは、
そこで気づいたことを日常生活でも実践していく。

そして、本人と周囲の人の人生が、ちょっとずつ幸せになっていく。

そんな風にして、世の中を楽しい方向に
変えてくれるエンターテイメントなんだろうな。

というのが、今回、参加をしての感想です。

その後、隣の会場でやっていたダイアログ・イン・ザ・ダーク
の代表金井さんの講演も聞いたのですが、
そこでもまた、面白い気づきがありました。

最前列の真ん中にいた自分の隣に、
視覚障がい者の年配の男性の方がたまたま座っていて、
一緒に講演を聞いていたのですが、
講演が終わった後で少しだけ話をしました。

その方は、2年ほど前にダイアログ・イン・ザ・ダークに
参加をして、それがすごく楽しくて、いい経験になったので、
代表の金井さんの話にも興味があって聞きに来たとのこと。

それを聞いてビックリしたのが、
「元々、全盲の方にとっても、ダイアログ・イン・ザ・ダークって
 面白いものなんだ!」ということです。

だから聞いてみました。

「普段から真っ暗な中にいるので、ダイアログ・イン・ザ・ダークの
 中に入っても、暗闇という意味での変化はないと思うのですが、
 どういった部分が特に楽しかったんですか?」

そして返ってきた答え。

「うん。そうだね。やっぱり感性が研ぎ澄まされるよね。
 流水に手をあてて、つめたーいって思ったり。
 あと、野菜を持って、みんなで『コレは何かなー。カボチャかなー』
 なんて言って、話したりね。
 みんな、すーごく、仲良くなって楽しかったんだよ。
 あんな風になれる場は他にはないよ」と、

つまり、視覚が閉ざされることで
他の感覚が研ぎ澄まされるということだけではなく、
その瞬間瞬間に意識が向くということや、
普段の「視える人/視えない人」「年上/年下」というような、
差異・属性を取っ払って、みんながフラットな状況になるということも、
ダイアログ・イン・ザ・ダークという場が持つ価値なのでしょう。

個人的に活動を応援したいという気持ちと、
自分にとって継続的に通う意味のある場所だと思うので、
今後もリピーターとして、ときどき行ってみようと思います。
(常設展だけど季節によって内容が変わるというのもGOODです
 ディズニーみたいに年間パスとか出して欲しい・・・)

一人で行くのは不安だけど興味あるって方は、
ぜひ一緒に行きましょう!

【参考】
ダイアログ・イン・ザ・ダーク(公式サイト)
志村季世恵のオフィシャルBLOG
GW!“暗闇”で理想の恋人を見つける [女の恋愛] All About

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『国分寺大人倶楽部』のワークショップ&オーディションに参加してきました

先日、国分寺大人倶楽部さん主催の
「オーディション&ワークショップ」に参加してきました。

【国分寺大人倶楽部】(公式HPより)
2007年、日本最大級の英語劇団体「ひとつだ」を母体に、河西裕介が旗揚げ。
口語体のリアルな会話劇をベースにしつつも、ストーリー性を重視し、
「日常会話の延長でどこまで非日常を描けるか」という、リアリズムの限界に挑戦している。
テーマは「愛、青春、死」。

「国分寺大人倶楽部」は、脚本・演出をしている河西くんが知り合いで、
最初は友達として興味本位で観に行っていた劇団なのですが、
何回か通ううちにすっかりファンになって、
今では自分で頻繁にHPをチェックして、
講演情報などチェックするようになりました。

国分寺大人倶楽部は、とても丁寧に、人の心の内にある「愛」を描いています。

ただ、劇の登場人物が抱いている「愛し・愛されたい」という欲求は、
観ている側にはビンビンとリアルに伝わってくるのですが、
それが舞台上で最終的に満たされるということは少なく、
失ったり、裏切られたり、誰かに邪魔されたり、
殺されちゃったり、殺しちゃったりすることが多いです。

ほとんどの人が不器用で、うまく自分の気持ちを相手に伝えられないし、
伝えられた気持ちを受け取るのも下手。

「愛」だけではなく、「憎しみ」・「嫉妬」・「落胆」・「渇望」・「諦め」など、
登場人物の抱く、重い感情もリアルに刺さってきます。胸が痛くなります。

でも、ちょっと観る側が休めるように、適度な笑いも用意してくれます。

色んな感情を見せてくれるサジ加減が絶妙です。

現実生活においても、愛に満ちた状態っていうのはなかなか
永続的に続かなくて、一瞬は「愛してる・愛されてる」と感じても、
次の瞬間にはそれが不満や憎しみに変わっちゃったり、
それをごまかそうとして、無理やり笑うようにしたり、
常に気持ちは変化しますよね。

劇だから、少し設定や表現がおおげさな部分はあるけど、
描かれている感情の揺れ動きは、
現実を切り取ったようにすごくリアルなんです。

見終わった後には、後味の悪さが残ることもあって、
「あの子をあの状態で終わらせるのはかわいそうだなー」とか
「もっとハッピーな結末を用意してあげても良かったんじゃない?」とか、
「その感情を、そのやり方で処理をするのは違うんじゃないか?」などなど、
登場人物に感情移入しているので、モヤモヤを感じることも多いのですが、

そんなこんなも呑み込んで

「まぁ色々あるけど、やっぱり人を好きになるのって素敵なことだな」
「あの子のこと、もっと大事にしよ」
「やっぱり、人間ってオモシロー!!」」

というような気分で、明日からまた人としっかり関わっていこうと思えるような、そんな劇。

ヘタすると、「あー、人間って汚くて嫌だわ。嫌なもん見たわ」と感じさせてしまうような
危険さも持ち合わせながら、あえてそのスレスレのところで勝負するのが、
この劇団の面白いところだし、さらに言えば、その人間の黒い部分も、
愛に対する欲求も、人間を最終的に肯定する(したい)気持ちも、
元は脚本を描いている河西裕介という男の中に全て入っていたものだろうから、
そんな自分を裸にして全部出して、
エンターテイメントという形に昇華して表現していることを、尊敬してます。

劇をたまたま見にきていた舞台プロデューサーが作品に感動し、
秋にはV6の三宅健さん主演、河西裕介脚本で、大きな舞台で新作が演じられるそうです。
しかも、東京と大阪で。

ラブリーベイベー
【東京グローブ座】2011/10/28(金)〜11/13
【シアター・ドラマシティ】2011/11/17(木)〜11/20

今までずっと50人くらいの小さな演劇場で伝えていた表現が、
何百人という大きなホールで果たしてちゃんと伝わるのか、
という心配もありつつ、大きな舞台で
公開されると知ってすごく興奮しました。

ぜひ、多くの人に観て欲しいと思います。

ほとんど劇団の紹介になっちゃいましたが、一応、タイトルにあったワークショップの話も。

そんな国分寺大人倶楽部主宰の
「ワークショップ&オーディション」に先日、参加してきました。

自分は、出演希望というわけではないので、オーディション枠ではなく、
あくまで一般人として、どうやって劇が創られるのか知るための体験参加でしたが、
演劇経験がオーディションに来た方と一緒に楽しめましたし、
ワークショップの主旨としてHPに書いてあった

「いっしょに『演劇って楽しいね』というのを確認しあう場になると思います。」

をまさに感じられた場でした。

演劇や国分寺大人倶楽部に興味ある方は、ぜひそちらもお勧めです。

国分寺大人倶楽部 今後の予定

※現状は全て締切られたそうですが、追加開催を予定しているそうです

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「なぜ、社員10人でも分かり合えないのか」

  • 投稿者: hayato
  • 2011年1月23日 1:28 AM
  • 仕事術

3日くらい前に出社したら、ふと自分の机の横に、ちょっと前の雑誌がポンと置いてあった。

日経トップリーダー 2010年5月号

http://www.komy.co.jp/media/%E6%97%A5%E7%B5%8C%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%BC%E3%80%802010%E5%B9%B45%E6%9C%88%E5%8F%B7-1/

巻頭特集が

「なぜ、社員10人でも分かり合えないのか? コミーに学ぶ「超コミュニケーション術」」

というタイトルの、「きくばりミラー」という業界で圧倒的No.1の位置にいる中小企業の紹介。社内コミュニケーションの仕組みがウリらしい。

10人といったらうちとほぼ同じ規模だ。

これが、自分の机の横に置かれたのがたまたまなのか、誰かからの暗黙のメッセージで「もっと社内のコミュニケーションが良くなるように、お前が努力せい」ということなのか分からないが、後者と思った方が面白いのでメモ。

コミーさんから学んだポイントは3つ。

「言葉を定義する」
同じ言葉を使っていても、各人によって捉え方は違う。業務上の重要なワードや議論のテーマに頻出するワードは、どのような定義でそれを用いているのか明確に共有する。

「~しか問題の解消」
特定の人物でしか解決できない種のタスクを作らない。今の業務上でそれが顕在化した時には、どのように仕組化して誰でもできるようにするかを考える。

「なぜ?を繰り返す」
なぜその仕事をするか、それは何のためにするのか、常になぜなぜなぜと問い続ける。

こうして見るとほんと基本的なことだけど、最近、自分はできてないことが多いなー。この雑誌を置いた人は良く見ています。

うっし。

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