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小笠原隼人の日記

新春に思うこと

  • 投稿者: hayato
  • 2011年1月4日 3:48 AM
  • 家族

明けましておめでとうございます!

ogasawarahayato.comというドメインを年末に勢いでとってしまいました。しばらくブログ離れしてましたが、今年はちょこちょことブログを更新していきたいと思います。

さて、記念すべき初投稿ですが、新春らしく、昨年の振り返りでもしたいと思います。

昨年を振り返って、これが大きかったなーという出来事を考えると「兄と話せるようになったこと」です。




年末の12月21日のことでした。

ちなみに、12月21日というのは、母の命日です。母は2007年12月21日に亡くなりました。

先月で亡くなって丸3年となりましたが、自分は毎年、この日をとても辛い気持ちで迎えていました。

自分を愛し、育ててくれた母を亡くした時、自分は「母から受けたたくさんの愛情を、周りの人々に還元して生きていく」ということを、誓いました。その誓いは、自分のエネルギーの源となっています。

しかし、毎年12月になり、21日という日が近づくにつれ、自分の中でだんだんと不安な気持ちが大きく湧き上がってきます。それは、「自分は本当に周囲の人々にちゃんと愛情を持って接しているのか」という不安です。

母を亡くす前の数年間の自分を振り返り、「あまりにも身勝手だったのではないか?」、「家族のことを気遣ってやれなかったのではないか?」という後悔と自責の気持ちが湧き上がり、そこからさらに発展して「今年1年の自分も、周りにちゃんと愛情を持ってこなかったのではないか?」、「お世話になった人に不義理を重ねているのではないか?」と、自分を全否定したくなるような、負の感情が巻き起こってきます。

普段はそこまで深刻にはなることはないのですが、この日が近づくと、一気にマイナス感情が膨らんできて、抑えられなくなってしまいます。

2008年と2009年は、このことを「自分と真摯に向きあう良い機会だ」と捉え、数日間ビジネスホテルにこもって、温泉に入ったり、本を読んだり、1年を振り返ったり、来年の目標を考えたりしていました。

しかし、これが非常によくありませんでした(苦笑)

過去の反省や後悔ばかりで、まったく前向きな気持ちが起こらず、グルグルと同じことを考えてました。世の中の楽しそうなクリスマスムードを横目に「自分は一人で何やってるんだろう…」「これなら会社で仕事した方が良いのではないか…」など、さらに余計なことまで考えていました。全く自信のない状態で、新年に向けての前向きな目標など出てきませんでした。

そして、昨年も、そのような気持ちで2010年12月21日を迎えました。21日は仕事が休みだったのですが、その日をどう過ごすか決めかねていました。また一人でホテルに籠ろうかとも考えましたが、これまでの反省から良い結果にはならないだろうと予想されたので、困っていました。

仕事はたくさんあったので、仕事をしようかとも思いましたが、このコンディションで中途半端な仕事をするのも嫌でした。

20日から21日に日付が変わる頃には、身体がブルブルと震えてきて、「これはほんとにやばいかも・・・」と思ったのですが、そんな時にふと、兄から電話がかかってきました。(ここで、ようやく兄の話になります)




「明日どうする?」


と聞かれました。


母の命日をどう過ごすかという質問でした。


「う、うん。。。 一緒に行こうか」


と答えました。


そうして、その日は、兄弟で一緒に墓参りをすることになりました。




ここで兄との関係について少し説明しますと、うちは2人兄弟で自分は次男。兄は4歳年上です。

決して仲が悪い兄弟ではなかったのですが、ここ10年以上、自分は兄とあまり話をしていませんでした。たまに事務的な会話をする程度で、プライベートに関しては、ほとんど互いに知ることもありませんでした。そして、そのことによって日常生活で困るという感覚もありませんでした。

何か深い理由があって険悪になったわけではなく、思春期の頃から意見の衝突があって口論をするようになり、面倒だから互いを自然と遠ざけるようになっていったという感じです。

自分が大学生になった頃には、ケンカをすることもなくなり、嫌いという感情もありませんでしたが、一方で特に会話をすることもありませんでした。「無関心」という表現が一番近いかもしれません。

しかし、母を亡くした後、残った父と兄だけが自分にとって唯一の家族であり、その2人との関係について、自分は改めて深く考えるようになりました。

そして「周りの人々に愛情を持って接する」ということを指針としている自分が、たった一人の兄弟に対して心を開いていないということにハタと気づきました。

「心を開いていないことに気づいた」というより、もっと率直に言うと「仲良くなりたい」という気持ちに気づきました。もっと兄弟同士で、色んなことを話せるようになりたいと思っていました。

そして、兄と一緒に墓参りに行くと決まった後で、しばらくボーッと考えた結果、2010年で一番のグッドアイデアが浮かびました。

「そうだ! これからは、毎年、お母さんの命日は兄弟2人で酒を飲んで語ることにしよう」というアイデアです。

これからは毎年、12月21日が、後悔の気持ちで不安になる日でなく、兄弟同士で腹を割って話せる日になる。訪れるのが怖い日ではなく、楽しみな日になるのではないかと思いました。

かなりテンションがあがりました。

普段、あまり本音で話していない兄なので、これをどう伝えたものだろうという不安は少しありましたが、そこはもう素直に思ったままを言ってしまうおうと決めました。その晩は、好きな子をデートに誘った前日の晩のようにドキドキして眠りました。

そして、翌日は丸1日を一緒に過ごしました。夜は武蔵小金井の「牛繁」で焼肉を食べたのですが、その時に、自分が考えていることをそのまま伝えました。自分が母の命日が近づくととても不安な気持ちになってしまうことや、兄弟同士でもっと仲良くしたいと思っていることなど、照れながらですがそのまま伝えました。

兄は、言葉少なに、「分かった」と言って、答えてくれました。

その短い「分かった」のニュアンスをどう表現したものか難しいのですが、自分としては「伝わった!」と感じました。(たぶん100%は伝わってなかったけど、その「分かった」で十分でした)

また一方で、兄の中にあった家族に対する想いも聞けて、それも嬉しいことでした。

そんなわけで、この日は、自分にとって非常に喜ばしい一日となりました。未だにお互いを良く理解できていない兄弟ですが、こうして自分の気持ちをオープンにして話せたことや、これからもこうやって腹をわって話そうという環境を作れたということが自分にとって本当に大きかったです。これもきっと、母が与えてくれた機会なんだなと感謝します。

そんなことも含めて、本当に色々なことがあった2010年でした。兄との出来事が象徴的ですが、友人や同僚など、色んな人とのかかわりの中で、人との接し方を学ばせてもらった1年でした。たぶん、様々な出来事があったからこそ、年末にこうして兄と話ができたのだろうとも思います。




最後に、2011年に大事にしたい3つの指針をまとめておきます。




今を生きる


過去にあった出来事を悔やむのでなく、未来に起こる出来事を恐れるのでなく、「今」に目を向ける。「今の気持ち」「今、できること」を大事にして一歩ずつ進む。半径10mの人を喜ばせる。




相手を信頼する


迷った時はとりあえず、素直にぶつかってみる。言いたいと思ったら伝えてみる。一時的な衝突や意見の相違は問題ではなく、関係改善のヒントになる。そのために、自分の中でちゃんと「相手を信頼する」と決める。




気楽に考える


迷いや壁にあった時に、あまり深刻に捉えすぎず、気楽に取り組む。深く考えるだけでは前には進めないから、目標を達成するためにどう行動するかを、もっとシンプルに考える。




なんか、3つとも似たような感じですね^^;


あと、仕事でも新たにやりたいことが明確になりました。葬儀やお墓に関わる仕事をする中で、大切な家族や友人を亡くした方と多く接しますが、人それぞれ、色んな苦しみを抱えています。その苦しみを少しでも和らげるための新しいサービスを、今年は始めます。詳細はまだ書けませんが、面白くなりそうです。


皆様、今年もどうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m

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