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ダイアログ・イン・ザ・ダーク 〜叶えて欲しい約束〜

志村季世恵さんという方がいます。

「バースセラピスト」という肩書きで、
余命宣告を受けた方や、出産を控えた母親の
心のケアを、延べ三万人以上されてきている方。

数ヶ月前、自分がとてもお世話になっている方から
「こんな仕事をしている人がいるけど、隼人くんは興味あるんじゃないかな?」と
教えてもらい、本を読んで、とても感銘を受けました。
(その中の1冊があまりに良い本だったので、既に周りの4人にプレゼントしました)

いのちのバトン(著:志村季世恵)

その志村さんと、志村さんが理事をしている
「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」という
エンターテイメントについてご紹介します。

志村さんがバースセラピストの仕事をしながら何を感じ、
そしてダイアログ・イン・ザ・ダークが
どんな目的で何をしているのか、
6分ほどでまとめられた動画があるので、
まずは見て欲しいです。
(自分は初めて家でこの動画を見た時、感動して泣きました)

社会イノベータ公志園 志村季世恵×ダイアログ

※プレゼン前半部分より抜粋

「約束」

・・・

その頃私は カウンセリングをする中 悩んでいた

延べ3万人のクライアントの苦しみは

評価の中でしか自分の価値を見いだせない

常に目標達成に追われる

自分なんて取り替え可能

孤独、不安、比較、争い、妬み、
無気力、不信感、自己否定・・・等

一方で、死をきっかけに本当の自分に向き合う人がいる

ターミナルケア 死を目前に苦しむ人達へのカウンセリング

私は末期ガンの人達と最期の時を共に過ごす

私は尋ねます「あなたの大切な人に残したいメッセージは?」

S.I.くん 享年13歳
『友達と弟へ』
人を嫌わないで信じて欲しい

Y.R.さん 享年45歳
『妻と四歳の息子に』
幸せは自分で決めていい

C.M.さん 享年33歳
『生きている全ての人へ』
生きる意味を元気なうちに知ってほしい

みんなの願い それは

助けあう
繋がる
信じる
慈しむ

本当の幸せはシンプル

彼女たちはみんなに伝えてほしいと
私に言い残し逝った

『約束』

でもどうやって伝えよう

本を出しても講演しても伝えきれない

私は答えを探していた

ある日、友人とダイアログ・イン・ザ・ダークの新聞記事を見た

日本でも開催してみよう

・・・
(引用ここまで)

志村さんがカウンセリングをした方との約束、
伝えたいメッセージ

助けあう
繋がる
信じる
慈しむ

は、
自分がみんなに伝えたいメッセージと一緒で、
どうやってそれをしていくかを
ずっと模索しています。

伝える以前に、自身ができていないことが多いので、
自然にできるように日々もがいていますが・・・

とにかく、実際にどんなものなのか、まずは参加して
知ってみねばと思い、この連休中に行って来ました。

ダイアログ・イン・ザ・ダーク@横浜

参加した時のグループは、老若男女合わせて11名。
(自分は一人で参加)

ここから先、ややネタバレになっちゃうんですが、
その時は、90分のプログラムの中に、
ビールを飲んで、アイス(たぶんハーゲンダッツ)を
食べるというものがありました。

視覚障がい者のアテンドさんに先導してもらい、
会場内のどこかにある椅子まで歩き、座り、
ビールをグラスに注ぎ、呑み、
アイスを持ち、食べるのですが、
この「椅子まで歩き、座る」というのがまず大変で、
暗闇の中に机が1つと椅子が11脚あって、
そこにみんながそれぞれ座らないといけないんです。

「隼人さん、こっちの椅子空いてますよー」
「え、どっちですか? 右? 左?」
「あー、分からないけど、たぶん隼人さんから見て右じゃないかな?(笑)」
「そっちですかー。ああ、机にぶつかった(笑)
 ここかなー。あ、ごめんなさい、もう座ってましたか(笑)」

みたいな。

ただ椅子に座るだけでもコミュニケーション
ちゃんととらないとダメ。
自分の状態と相手の状態を常に確認する必要がある。

アイスを食べる時も、

「これは、、、うーん、バニラですかねー」
「このコクは、、、 きっとハーゲンダッツでしょうねー」
とか言いながら、おっかなびっくりと。

カップのアイスなんだけど、
やたら固く凍っていた(ように感じた)ので、
一生懸命、力を入れてスプーンで掘って、
「ああ、強く掘りすぎて飛んでった(笑)」
みたいに、アイス1つ食べるのでも大盛り上がり。

それで、また、おいしいんです。
ビールとアイスが。

理屈としては、視覚を使わないことで、
普段は使っていない味覚や嗅覚が鋭敏に
なるからおいしいってことなんですが、
それだけじゃなくて、「おいしい」「楽しい」
「なんかうまく食べられない」っていうそれぞれの感覚を、
周りの人とコミュニケーションとりながら
共有するのも、すごく意味がある。

助けあう
繋がる
信じる
慈しむ

これって必ずしも、特別なことをしなきゃいけないわけじゃなくて、
目の前にあるもの・出来事を、しっかり感じて楽しむ、
一瞬一瞬を味わう、大事にするってことなんだと思います。

ダイアログ・イン・ザ・ダークは、
限定された状況の中でそれに気づくキッカケを
与えてくれて、参加した一人ひとりは、
そこで気づいたことを日常生活でも実践していく。

そして、本人と周囲の人の人生が、ちょっとずつ幸せになっていく。

そんな風にして、世の中を楽しい方向に
変えてくれるエンターテイメントなんだろうな。

というのが、今回、参加をしての感想です。

その後、隣の会場でやっていたダイアログ・イン・ザ・ダーク
の代表金井さんの講演も聞いたのですが、
そこでもまた、面白い気づきがありました。

最前列の真ん中にいた自分の隣に、
視覚障がい者の年配の男性の方がたまたま座っていて、
一緒に講演を聞いていたのですが、
講演が終わった後で少しだけ話をしました。

その方は、2年ほど前にダイアログ・イン・ザ・ダークに
参加をして、それがすごく楽しくて、いい経験になったので、
代表の金井さんの話にも興味があって聞きに来たとのこと。

それを聞いてビックリしたのが、
「元々、全盲の方にとっても、ダイアログ・イン・ザ・ダークって
 面白いものなんだ!」ということです。

だから聞いてみました。

「普段から真っ暗な中にいるので、ダイアログ・イン・ザ・ダークの
 中に入っても、暗闇という意味での変化はないと思うのですが、
 どういった部分が特に楽しかったんですか?」

そして返ってきた答え。

「うん。そうだね。やっぱり感性が研ぎ澄まされるよね。
 流水に手をあてて、つめたーいって思ったり。
 あと、野菜を持って、みんなで『コレは何かなー。カボチャかなー』
 なんて言って、話したりね。
 みんな、すーごく、仲良くなって楽しかったんだよ。
 あんな風になれる場は他にはないよ」と、

つまり、視覚が閉ざされることで
他の感覚が研ぎ澄まされるということだけではなく、
その瞬間瞬間に意識が向くということや、
普段の「視える人/視えない人」「年上/年下」というような、
差異・属性を取っ払って、みんながフラットな状況になるということも、
ダイアログ・イン・ザ・ダークという場が持つ価値なのでしょう。

個人的に活動を応援したいという気持ちと、
自分にとって継続的に通う意味のある場所だと思うので、
今後もリピーターとして、ときどき行ってみようと思います。
(常設展だけど季節によって内容が変わるというのもGOODです
 ディズニーみたいに年間パスとか出して欲しい・・・)

一人で行くのは不安だけど興味あるって方は、
ぜひ一緒に行きましょう!

【参考】
ダイアログ・イン・ザ・ダーク(公式サイト)
志村季世恵のオフィシャルBLOG
GW!“暗闇”で理想の恋人を見つける [女の恋愛] All About

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ダイアログ・イン・ザ・ダーク 〜叶えて欲しい約束〜 - 小笠原隼人の日記 より

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